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2019.09.13

「20年後の未来 少子化とAIの視点から」港区医師会にて講演

港区医師会の先生方との勉強会で、『20年後の未来 ~少子化とAIの観点から~』というテーマで講演をさせていただきました。

 

人口知能(AI)の発達で、人間の社会は大きく変わると言われていますが、「こんなところにもAIが!」と驚くほど、私達の生活の中には既に様々な場面でAIが取り入れられています。これまで私自身が現場を拝見した実例を参考に、医療分野でのAIの可能性について考えてみました。
建設現場 https://miki-yamada.com/blog/6355.html
自動運転 https://miki-yamada.com/blog/6633.html
介護現場 https://miki-yamada.com/blog/6518.html
学校教育 https://miki-yamada.com/blog/6713.html

医療の分野では、昨年、新宿区の東京女子医科大学病院でSmart Cyber Operating Theater(最先端オペシアター)を拝見させていただきました。いわゆるIoTで医療機器がネットに繋がれ、手術の経過が3Dデータとして自動的に記録されると共に、5G時代を見据えた大容量の画像やデータの遠隔通信で、遠隔地からリアルタイムでオペのアドバイスを受けられるというものです。将来的にはVertual Realityで熟練Drが遠隔地からメスを入れることも技術的に可能になります。
https://miki-yamada.com/blog/6757.html

通常の医療現場でも、3Dプリンターによる天然素材の臓器模型、細胞を使った3Dバイオプリンティング(心筋シート、血管や末梢神経など)、3次元CGによる心臓疾患治療シミュレーションなどの活用が進んでいます。

一方でGoogleのように、人工知能によるデータ分析を駆使した、新たな治療や予防に向けた取り組みも始まっています。
一つは①画像診断。数多くの画像を学習して類似性を判断する作業はAIが最も得意とする分野であり、糖尿病網膜症やがん腫瘍、歯周病等の検知、甲状腺疾患の問診や、血液検査や表情のAI分析による精神疾患の診断などの可能性が広がっています。
もう一つは②ビッグデータ解析による分析と予測。米国では21万人の電子カルテデータを解析することで、患者の入院期間や再入院の可能性の予測が始まっているとのこと。
そして、③パーソナライズ医療。個々人の健康データや嗜好、生活パターンから健康向上や病気予防をアドバイスするAIの開発が進んでいるそうです。

 

さらに私達の生活の身近なところでは、CMで話題のポケット翻訳機や、銀行による融資審査、不動産の物件検索、コールセンターでの無人対応などでAIが使われています。とはいえ、銀行が融資の可否を決定する際には、融資先の財務情報の把握はもちろんですが、社長の能力や人柄、経営陣の顔ぶれ、社員のモラルなどAIでは判断できない内容こそが重要な決定要素です。不動産の物件探しにAIは有効ですが、私達が不動産屋さんに求めるものは、万が一、家主さんや借主さんとトラブルになった時に間に入って解決してくれる信頼できるプロの存在です。『AIによって人間の仕事が奪われる』というのは荒唐無稽な議論のように思います。

2040年、私のような団塊ジュニア世代が65歳を迎える頃、生産年齢人口は2000年に比べて3分の2に減り、そのうち5人に1人が福祉関係の仕事に従事しなければ世の中が回らないという時代がやってきます。世界一の高齢化先進国である日本が、人工知能を活かして少ない人口でどのように豊かな社会を作っていくか、これからが日本人の叡智の見せどころです。