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2018.09.06
自民党の文部科学部会で、千代田区立麹町中学校視察の機会があり、地元議員として私もご一緒させていただきました。麹町中学校は千代田区で3校ある公立中学校の一つです。工藤勇一校長先生のリーダーシップのもとで、教育活動のスリム化や教職員の働き方改革、外部リソースの活用による学びの充実など、さまざまな学校改善が進み、教育の現場改革のモデルケースとして全国的にも注目されています。
学校とは? そもそも、「人が社会のなかでよりよく生きていける」ためのコミュニケーション活動や経済活動を学ぶ場所であるはずですが、学習指導要領のカリキュラムを消化することが目的になってしまっていないか?というのが、工藤校長の学校改善の出発点だったそうです。生徒の「自律」を最大限に伸ばすために、定期テストと宿題を廃止し、クラス担当の教員も固定でなく全員担任制に切り替えたとのこと。民間との連携も積極的に進められており、修学旅行では、生徒たちは「旅行会社にツアー企画を提案する」というテーマのもとに現地で取材をし、自分達で旅行パンフレットを作成して旅行会社にプレゼンをします。将来は、放課後の夜10時までの学校を生徒や地域の多様な学びの場として活かせるように、民間や地域との連携をさらに深めていくことを検討しているそうです。
千代田区の学校と聞くと、「都心で場所がいいから、環境が恵まれているから・・・」と思いがちですが、工藤校長の学校改善の取組は、決して千代田区という場所が決定的な要因だったわけではなく、学校も行政も民間も関係者が一丸となって取り組んだ熱意があったからこそだと思います。裏を返せば、日本全国どこであっても、熱意のあるリーダーがいれば改革は可能なのだ、ということを実感しました。
今から20年後、30年後の世の中はどのような姿になっているのか、私達には全くわかりません。これから大人になる生徒さん達には、良い教育を受けて、将来、世の中がどのように変わったとしても力強く生きていけるような大人になってほしいと心から願っています。