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2023.02.13
世界自然遺産の周辺にも、魅力的な観光資源がいっぱいあります。
大石林山は沖縄で最初の聖地といわれ、石灰岩が雨水によって長い歳月をかけ侵食されてできた地形が特徴的です。パワースポットとしても人気で、歌手の松任谷由実さんが「神様から呼ばれた」と訪れたのがここだそうです。民間企業によって運営されており、新たにバリアーフリーの散策コースの整備なども進められています。ガイドの喜瀬所長がお話しくださった沖縄の神様やお祈りの仕方がとても興味深く、心が浄化されるような気分を味わいました。
辺戸岬は沖縄県の最北端の岬であり、海の向こうには与論島が見えます。1972年の沖縄返還以前には、この岬から本土復帰を願ったそうです。
慶佐次湾ヒルギ林は、世界自然遺産の外ではありますが、やんばる国立公園内の国指定天然記念物であり、トレッキングやカヤックなどの自然体験が楽しめます。地元の協議会で流域再生や利用ルールの検討が行われ、地域のガイドが「慶佐次レンジャー」を組織して外来種駆除やゴミ拾いなどを実施しています。
国立公園の保護と利用を進める上で、地域の理解と協力は不可欠です。やんばるを世界自然遺産にしたいという動きは2000年代初頭に始まったそうですが、国立公園指定を経て世界遺産登録が実現するまで20年近くを要しました。関係者のご努力に心から敬意を表します。
これからの課題は、いかにして、この自然環境の素晴らしさを訪れる人に伝えるかと言う問題です。自分自身も自然の一部だと実感できるのは得がたい体験であり、豪華絢爛ではありませんが至高の贅沢だと言えます。観光やリゾートではない新たな旅のあり方を、さらに探求していきたいと思います。
(前編)ヤンバルクイナなど希少生物 はこちら↓
https://miki-yamada.com/blog/10932.html