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2021.10.24
先日、コロナ禍で「自由」と「平等」という価値観が揺らいでいるというお話をしましたが、国と国との関係、国際競争力についても同じです。日本は欧米と同じく自由な資本主義経済に拠って立つ国ですが、政府が強力に民間をコントロールする新しいタイプの資本主義が台頭し、日本や欧米を凌ぐ力をつけてきています。
日本では各業界に複数の企業が存在し切磋琢磨していますが、中国では人工知能、自動運転、画像認識それぞれを担当する会社を1社に絞り込み、国が集中的に資金を投入して研究開発を進めています。特許出願数では、中国は既に米国や日本を上回っています。国民への強力な統制でいち早くコロナ禍から脱した中国は、今後さらに成長を加速させること
でしょう。
日本の成長戦略の3本柱は、デジタル、グリーン(環境)、ヘルスケア(健康医療)、と言われていますが、特に温暖化対策は重要な局面にあります。政府がこの春に発表したエネルギー基本計画では、2030年度の電源構成の36~38%を再生エネルギーでまかなうという高い目標を掲げています。その大半は太陽光発電です。しかし、太陽光パネルの原材料の殆どが中国に依存しており、日本が太陽光発電を頑張れば頑張るほど中国が利益を得てしまう現実があります。
政治はイメージやスローガンで行うものではありません。もっと言えば、政治は政治家だけのものでもありません。その分野に精通した専門家、国内外のビジネスの最前線で活躍している方々、地域の暮らしのコミュニティの核となって活躍している方々など、幅広く多くの方々の知見を政治の中に反映させていく必要があります。行政と民間企業の経験から政治の世界チャレンジした人間のひとりとして、私は「開かれた政治」を目指していきたいと考えています。