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2021.06.09
これまで議員連盟で議論を重ねてきたジェネリック医薬品の今後のあり方について、衆議院の厚生労働委員会で質問に立ちました。
本来、ジェネリック医薬品の使用促進については、昨年9月の数量シェア80%の後、さらなる使用促進について議論を進める時期でした。しかし昨年末から、ジェネリック医薬品に対する信頼性を揺るがしかねない大変残念な事件が相次ぎました。不適切な製造管理や品質管理を行っていたメーカーはもちろんですが、十分な管理監督をできなかった行政の責任をどのように捉え、実効性のある再発防止策をどのように講じていくのか、ジェネリック医薬品に限らず日本の医薬品産業全体の産業構造の健全化をどのように図っていくのか、厚生労働省に問いました。
ジェネリック医薬品の使用促進は、2002年の『医薬品産業ビジョン』で国の方針として定められて以来、約20年にわたって国主導で進められてきました。直近の厚生労働省のデータによると、ジェネリック使用促進により年間で約1.8兆円もの医療費適正化の効果が出ています。現在、議論されている『骨太の方針2021』の中で、「2023年度末までに後発医療品数量シェアを全都道府県で80%以上とする」といった議論がなされているようですが、ジェネリック医薬品に対する信頼性を揺るがしかねない事件が相次ぐ中で、さらに目標のハードルを上げることが果たして適切なのかどうか、むしろ信頼回復を支援するような目標とすべきではないかと考えます。
同時に、法令を遵守し製造責任・品質管理を徹底し、安定供給と情報提供に努力している企業が健全経営をできる環境をつくることも重要な行政の責務です。ジェネリック医薬品に限らず、『安定確保医薬品』をはじめとした医療上重要な医薬品については、不採算とならないよう医療制度上の配慮を要望しました。