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2021.03.04

創薬力の強化育成に関するプロジェクトチーム

自民党で『創薬力の強化育成に関するプロジェクトチーム』が発足しました。私も幹事としてメンバーに加わり、第1回の会合に出席しました。
かつての日本は世界有数の創薬国でした。しかし新薬の研究開発に莫大な費用と時間がかかるようになるにつれて、日本の創薬の国際競争力は欧米諸国に後れをとりつつあります。その理由の一つに、日本特有の薬価の決定プロセスがあります。これまで2年に1度だった薬価改定が来年度から毎年になることで、製薬企業は研究開発のための投資判断をしづらくなります。とりわけ問題なのは、海外の製薬企業が日本市場への関心を失い、将来的に日本で海外の新薬が手に入りにくくなる恐れがあることです。今回、コロナのワクチンを海外に頼らざるを得ない現状に直面して、これまで漠然としていた不安が現実となりつつあることを実感しています。
厚生労働省は今年の春、8年ぶりに『医薬品産業ビジョン』を見直します。厳しい国際競争を踏まえて、今後の戦略的な方向性を打ち出す必要があります。

 

 

プロジェクトチームの場で、私は下記の3点を発言しました。

◆ 製薬分野においては、外資・内資という発想は捨てるべき。
グローバル展開をしている国内の大手製薬会社は、外資系と同じ発想で経営判断をしています。日本の現状では、外資・内資を問わず、グローバルの経営判断の中で日本が対象から外されかねません。外資で働く日本人も、グローバルの中で日本法人のプレゼンスを上げるために戦っています。アウェイで活躍する日本人サッカー選手と同じです。国内にいる私達よりもはるかに厳しい現実を知っている外資の方々からも積極的に意見を聞くべきです。

◆ 政府は、白書の延長ではなく意味のある『ビジョン』を作るべき。
各省庁がそれぞれ取り組んでいる施策を束ねただけではビジョンとは言えません。中国は2030年までに世界一の経済大国を目指すと言っていますが、日本にもこのくらい明確な目標が必要です。これまで日本の行政には、間違ってはいけない、実現が不確実なことは約束すべきでない、「無謬性」という暗黙の制約がありましたが、それを打ち破ったのが『2050年カーボン・ニュートラル』です。技術的な裏付けもロードマップも何もないまま目標だけをぶち上げたのは、ある意味、画期的でした。医薬品の研究開発についても、そのくらいの野心的な目標を立てるべきだと考えます。

◆ 薬価の決定プロセスを透明化すべき
日本独特の公的な価格決定の仕組みが、新薬の研究開発の投資判断を行う上で大きな障害となっていることは、長年にわたって国内外から指摘を受けてきました。行政の意思決定メカニズムを透明化し、研究開発投資の予見可能性を高めることが必須です。薬価改定は毎回、重要な政治テーマになりますが、その時々の政治状況に左右されないためにも、行政における議論の積み上げのプロセスをもっとオープンにすべきだと感じています。

このPTでは今後も議論を重ね、5月頃には提言をまとめると伺っています。今後も随時、ご報告してまいります。