活動ブログ

コロナウイルスとの闘い 各国の動向

2020.04.21

緊急事態宣言の期限である5月6日、日本はどのような状況を迎えるのか。予測にあたって各国の動向は貴重な情報です。今朝は日本国際交流センター主催のウェブ会議で、世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局長の葛西健先生からアジア各国の現状を伺いました。フィリピンのマニラからリアルタイムでのご報告となりました。

中韓や欧米では既に感染者の増加が平坦化している一方で、日本やシンガポール、フィリピン等はまだ増加の途上にあります。爆発的な増加となった米国、スペイン、イタリア等では陽性者の隔離を全くしなかった、若しくは諦めてしまっていたのが現状だったとのこと。
アジア各国は国内事情がそれぞれ異なります。シンガポールでは外国人労働者が居住する寮で、フィリピンはスラム街での感染が著しいこと、医療規模が小さい国では初期の封じ込めが必須でありベトナムでは濃厚接触者の濃厚接触者まで徹底的に追跡管理を行ったこと、東南アジアの島国では人工呼吸器を持たない国も多く一斉に国境封鎖をしたため生活物資の輸送も難しいこと、等々。
国によって行動制限や社会的措置の内容に違いはありますが、感染者の数を医療機関がカバーできる水準に抑え込み、医療システムを維持することが最重要であることは世界各国で共通です。

質疑応答の中では、私達が抱える疑問に対して明確なご回答をいただきました。
『いつの時点で経済封鎖は解けるのか?』
一気に解除するのは危険。段階を踏む必要があり、場合によってはもう一度強化することもあり得る。米国では、直近14日間の新規感染者数が減少傾向、医療従事者の検査態勢の整備状況などを指標に3段階での緩和策を発表したが、途上国では一つの調査だけで緩和に踏み切るのは難しい。どういう指標をクリアしたらよいのか精査し、方針を打ち出す準備をしている。

『日本の感染者数や検査状況は諸外国と比べてどうか?』
各国が公表している感染者数を比較しても意味はない、あくまで推移をみる必要がある。検査は感染者をみつけるために重要だが対策の一つにすぎない。全ての人に検査ができる国はない。検査の戦略を明確に持って、検査の結果どうするのか(早く通知して隔離する等)明確な方針が必要。日本のクラスターアプローチは世界中で注目されている。韓国は検査数の多さばかりが報道されたが、実際に優れているのは接触者健診を行いどこに収容するのか体制を整備した点である。

 
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「ウイルスの伝播より情報の伝播の方が早い」と言われます。必ずしも正しくない情報も多いなかで、現場の第一線で陣頭指揮をとる方から直接お伺いした正確な情報を、今後の政策判断の中に生かしていきたいと思います。