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2020.01.26
新宿調理師専門学校の卒業料理作品展示会にお邪魔しました。日本料理、西洋料理、中華料理・・・200点近い作品は、どれも他では見たこともないような創意工夫に溢れる盛り付けで、見るからに美味しそうです。
見た目も美味しいお料理が誕生する背景には、学校独自の調理実習ノート、「調理デッサン」があるそうです。生徒さん達が色鉛筆で描いたお料理のイメージと、びっしりと細かく書き込まれたメモからは、妥協を許さず最高を追求する強い熱意が伝わってきました。
調理実習室では在校生の方々によるスイーツ・カフェが行われていました。調理台にテーブルクロスを掛けた簡易なカフェですが、生徒さん達の「いらっしゃいませ」というご挨拶もとても明るくて素敵な雰囲気でした。3種類のケーキの中から、私はフルーツロールケーキを頂きました。可愛らしく上品な甘さでした。
校内には和・洋・中それぞれの講義室があり、黒板の前の調理台をぐるりと囲むように机と椅子が並ぶ光景は、まるでキッチンスタジアムのようでした。学校長の上神田先生によるスペシャル講義は満員で、ユーモアを交えた「お客様の気持ちもお腹も幸せにできるのは料理人だけ」というお話に、思わず聴き入ってしまいました。
調理の専門校は設備投資もかかり、学校運営は大変だろうと推察します。また調理の仕事は力仕事も多く、かつては「厨房は男の職場」という雰囲気もあり、女性の調理人の方はまだそれほど多くはないという現実も知りました。
在校生の方々は、調理を学ぶだけではなく、お米や野菜などの食材を自らの手で育てて食の有り難みを学び、食にまつわる科学・文化などを幅広く習得されるそうです。外国人にも『日本人の手による料理は世界一』と絶賛される方が多い背景には、日本には技だけではない、先輩から後輩へと心の伝承があるからではないだろうか、と考えさせられました。