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2019.10.24
東京ビックサイトで明日から一般公開される『第46回東京モーターショー2019』を見に行きました。
私がモーターショーを訪れるのは今回が3度目です。1度目は高校生の頃(平成元年)、産業用モーターのエンジニアだった父が技術提携で関わっていた日本初の電気式ハイブリッドバスを見に行ったのが最初でした。2度目は特許庁に勤めていた頃に職場の仲間と訪れ(平成11年)、自動車の特許を担当する審査官の方が詳しく解説してくれました。令和になって初めての今回は、自動車の技術開発を巡る世界的な競争激化を背景に、時代の転換期を象徴した展示会でした。
写真左(上)はホンダの世界選手権参戦60周年記念展示から。バッテリーパック2つだけで動く世界初の電動バイクもお披露目されました。写真右(下)はヤマハのフロント2輪のバイク、乗り心地も非常に安定感がありました。
写真左(上)は三菱自動車のプラグインハイブリッド電気自動車。写真右(下)は日産の電気自動車のリーフ、以前に乗った時よりもさらに快適な乗り心地になっていました。このところ続いた台風による災害で、停電時に電気自動車が大活躍することが話題になりました。電気自動車1台で、携帯電話4,000台の充電が可能との話も。自治体等との協力体制が期待されます。
写真左(上)はクリーンディーゼルで高い技術力を持つマツダ。ディーゼル車が根強い欧州を中心に高い国際競争力があります。写真右(下)はスズキの生活支援モビリティ、自分の後ろから追いかけてきてくれます。開発者のラジャさんはとても日本語が流暢で、何百人ものご高齢者からヒアリングしたとのこと。
写真左(上)は、今回初めて電動化ビジョンを打ち出した2030年のレクサスの姿、思わず見とれるような美しいデザインです。写真右(下)は来年の東京オリパラ大会の選手村で活躍予定の低速自動運転電気自動車e-パレット。
写真左(上)は宇宙空間での水素を活用した技術。水素は燃料電池車にも使われ、未来のエネルギーとして大きく期待されています。写真右(下)は日野自動車の世界初の大型ハイブリッドトラック、その大きさに圧倒されました。
東京モーターショーのメディアでの報道ぶりを見ると、厳しい国際競争の中で日本の自動車産業に対する見方は必ずしも楽観的ではありません。自動運転や電動化、カーシェアなど構造的な変化を前に、一つ一つ新技術を積み上げ良い製品を作る努力と創意工夫ももちろんですが、グローバル市場でシェアを取っていくための経営戦略が今後はますます重要になってきます。
欧米やアジア諸国はもちろん、中東もアフリカも旧共産圏も中南米も、世界のどこへ行っても大量の日本車を目にしますが、これほどまでに日本車が世界中に普及している現状は、20年、30年前に、私達の上の世代の方々が懸命に日本車を世界に送り出していった努力のレガシーにすぎません。もしも将来、世界各国に普及している日本車がすべてどこか外国の車に取って代わられてしまったら・・・? 日本が生き残れるかどうかは、日本の自動車産業の将来に懸かっているように思います。