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2019.09.05

自民党清和研の研修会① 三浦瑠麗先生の講演

毎年恒例の自民党清和政策研究会(細田派)の研修会に出席しました。一泊二日の日程で、1日目は講演会、2日目はディスカッションを行うというもので、今年の講師は国際政治学者の三浦瑠麗先生と楽天株式会社の三木谷浩史会長です。

 

三浦先生からは独自の手法を用いた世論調査をご紹介いただきました。ネット調査で、自民党への支持層・不支持層それぞれに、①外交・防衛、②経済政策、③社会政策の様々な論点への賛成・反対を質問すると、支持政党によって意見が対立する論点と、支持政党に関わらず意見が収斂する論点が明確になる、というものです。憲法9条や日米安保の是非では支持政党によって賛否が大きく分かれるのに対し、中韓への対応、官から民へ、外国人受け入れ、女性活躍、LGBTへの対応、東京一極集中是正などは党派を超えて概ね意見が一致するところでした。

興味深かったのは、実際に自民党に投票した方々がどのような価値観を重視しているか相関性を見たところ、憲法や安全保障が最も重視されているという結果でした。三浦先生からは、自民党のコアな主張をもっと打ち出すべきだという指摘もありましたが、選挙を戦う当事者の立場からは「保守色を強く出しすぎると中間層が離れていくのでは?」という懸念もあり、難しいバランスを迫られます。他方で、有権者は破壊型の強いリーダーを求めているという分析もあり、与党の立場にあるからこそ改革志向を失ってはならないという教訓をいただきました。

日本を巡る国際環境は劇的に変化しています。かつての冷戦時代のような二項対立の時代は終わり、ここ数年で日本の安全保障に対する国民の危機感は急速に高まりました。これからの日本において「何が世論を分けるのか」、虚心坦懐に見極めていく必要があるように思います。