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2019.06.20
人工知能を用いた特許審査支援システムを開発したベンチャー企業「AI Samurai」を訪問しました。
オフィスがあるのは大手町ビルの4階。還暦を迎えるビルですが内部はきれいにリニューアルされ、数々のベンチャー企業が集まる場所となっています。電気代は貸主が負担してくれることがIT系ベンチャーには大きなメリットだそうです。
私自身も1999年から2000年にかけて特許庁で働いていました。中国が急激な勢いで特許を伸ばし、2010年以降、世界でダントツの特許出願件数を誇るようになりました。日本のものづくりの国際競争力を維持していくためには、日本で特許出願をしやすくすることと、迅速な特許審査が不可欠です。日本において特に問題なのは、特許出願を担う弁理士の方々が大企業に偏在しており、中小企業の特許出願をサポートする人材が不足していることです。
特許を出願する際に最も手間がかかるのは、過去の類似特許を検索して新規性があるかどうかを見極めることです。時間がかかる作業であり圧倒的に人手が足りません。AI Samuraiでは、人工知能を用いて、発明内容をコンピューターに入力するだけで特許取得が可能か否かの判断を十数秒で行うとのこと。調査にかかる時間と労力が大幅に減り、発明者はより創造的な仕事に集中することができます。
人工知能に「100%確実」はありませんが、上手に取り入れ使いこなすことで、人間はさらに賢くクリエイティブになれる気がします。ものづくり大国日本の復権に向けて、人工知能にも活躍していただきたいと思います。