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2019.05.28
衆議院本会議において、児童虐待防止のための児童福祉法改正案の採決に先立って、自民党を代表して賛成討論を行いました。
児童相談所における児童虐待相談対応件数は増加の一途をたどっており、平成29年度には13万件を超え、児童虐待防止法の制定直前である平成11年度と比べると、実に11倍以上となっています。
相次いで起こった痛ましい虐待事件が、日本中に衝撃を与えました。虐待を受けながらも両親に応えようと、覚えたてのひらがなで思いを綴った5歳の結愛ちゃん、悲痛なSOSの声を発していた小学校4年生の心愛さん。胸が張り裂けそうな思いを持ったのは私だけではないはずです。子ども達の命を守るのは、私たち大人全員の責任です。
政府は、本年3月に児童虐待防止対策の抜本的強化策をとりまとめました。体罰禁止の法定化、児童相談所における弁護士や医師などの配置促進、児童相談所の管轄区域に関する参酌基準の法定化、関係機関の職員の守秘義務、DV対策と児童虐待防止対策との連携強化、等々。
併せて政府は、児童相談所における児童福祉司の2,000人の増員をはじめとした大幅な増員計画を今年度から実施しており、今年度は一気に児童福祉司を1,000人増員させることとしています。さらに、住民に身近な市町村でより相談を受けやすくなるよう、市町村に置かれる相談拠点をすべての市町村に設置するなどの対策を打ち出しました。
国会の法案審議では、与野党間で真摯な協議が重ねられ、与野党共同の修正案をとりまとめました。保護者に対する更生プログラム実施の推進、転居しても切れ目ない支援を図るための関係機関の連携等々。児童虐待防止という喫緊の課題を前に、与野党がそれぞれの垣根を超えて、自らの立場にこだわることなく建設的な立場で議論を行った末にとりまとめられたものです。
痛ましい虐待事件を二度と起こさないために、あらゆる手段を尽くし、やれることはすべてやる、強い決意を共有し、修正案は全会一致で可決となりました。