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2018.10.12

日中与党交流協議会

日中与党交流協議会に出席しました。日本側は自民党・公明党、中国側は中国共産党のメンバーが集まり、日中間の様々な課題について意見交換をする場として、今年8回目を迎えるそうです。昨年は日中国交正常化45周年、今年は日中平和友好条約締結40周年となります。今月には日本の総理大臣による7年ぶりの二国間訪問も予定されており、日中関係が回復基調にある中で、与党間交流の役割はますます重要になっています。

中国の代表団メンバーには、中央政府はもちろん、福建省の幹部も多くいらっしゃいました。福建省は、地理的には台湾のお向かいに位置する中国南東部の臨海部の都市です。かつては海のシルクロードの拠点の一つであり、今は一帯一路国際モデル区となって著しい経済発展を遂げています。福建省副省長のお話では、行政のモットーは「すぐにやる」こと、行政許認可手続の9割以上が電子化されているというのは驚きでした。

日本と中国には、隣国であるがゆえの難しい課題がいくつかあります。日本側からプレゼンテーションをされた岸田政調会長からは、特に日中間の海洋をめぐる問題と北朝鮮問題について発言がありました。

東シナ海については、危機管理に向けて日中防衛当局間の協力メカニズムを定めた覚書が今年5月に締結されたところです。一方で、海洋協力について日中で了解した2008年以降、資源開発の国際約束締結にかかる協議は進んでおらず、既存のコンセンサスの着実な履行を進めていく必要があります。日中高級事務レベル協議を定期化することで対話を重ね、具体的な協力を積み重ねることが重要です。
また北朝鮮問題については、南北首脳会談や米朝合意を経て、北朝鮮の完全な非核化に向けて国際社会が後押しすることはもちろんですが、経済制裁の実効性を高めるために安保理決議に従った船舶の瀬取りへの厳しい対応が必要です。何よりも拉致問題の早期解決に向けて、中国側にも協力を依頼しました。
貿易面では、米中の貿易摩擦が今まさに話題となっていますが、積極的な対外開放政策を取ってきた中国も自由貿易の重要性を強く認識しているはずです。ASEANプラス日中韓、インド、豪州、NZを含めた東アジアの経済連携や、日中韓の自由貿易協定の交渉を進めていくことを求めました。

様々な意見交換の中で、何度も出てきたのが、日本と中国は「お互い引っ越しできない隣人同士」だという言葉です。私自身も今いるこの協議の場が、日本と中国の長い政治・外交の歴史の中のほんの一瞬にすぎないことを感じました。アジアの東端で、私達の国がどうやって生き延びていくか。お互いの国の良さを理解しながら、どうやって共に栄えていくか。私達に与えられた命題は、昔も今も同じです。