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2014.06.09
自民党の次の総裁選挙からネット投票を導入できないか、という議論があります。総裁選挙は自民党員であれば誰でも投票できるのですが、より多くの方に党員になってもらい、与党の意思決定に参画してもらうための改革の議論です。
政党の活動というと、ふだん政治と接点のない方には、遠い存在に感じられるかもしれません。なんとなく興味はあるけど参加するきっかけがない、どこに申し込んだらいいか分からない、という方も多いのではないかと思います。議員内閣制をとる日本では、議会の最大多数である与党の党首が内閣総理大臣となります。国民が直接選ぶのではなく、あくまで与党の党の内部での選挙で総理大臣が決まるため、政党の意思決定が民意を正しく反映できるかどうかは長年の課題です。
このたび自民党内で、より開かれた政党を目指して、総裁選挙をインターネットで行うことができるかどうか検討する小委員会が立ち上がり、平井たくや座長、平将明幹事長のもと、私も幹事の一人として参加させていただくことになりました。先日の第1回会合では、ネット選挙の先進国であるバルト三国のエストニアの取り組みについてお話を伺いました。
ネット選挙の最大の課題は本人確認ですが、エストニアではIDカード(電子身分証明書)が国民の9割に普及しており、直近の国政選挙では有効投票の4分の1がネット投票によるものだったそうです。ネット投票では強制的に投票させられる場合も想定されますが、投票締切まで何度も投票でき、後から投票内容を変更できる仕組みになっているとのこと。
何よりも驚いたのは、エストニアでは選挙運動も全てインターネットで行われ、有権者は各候補者の政策をネットで比較して投票するとのこと、街頭演説は一切禁止だという点です。日本の政治家には、「街頭演説が生き甲斐!」という方も多いなかで、日本の選挙でネットが主流になるまでには、まだまだ多くの検討の余地がありそうです。