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2024.05.15
国際連合事務次長で軍縮担当上級代表の中満泉さんの来日に合わせて、女性・平和・安全保障(WPS)議員連盟を開催し、ご講演と意見交換の機会をいただきました。
中満さんは、国連開発計画(UNDP)の要職や、国連平和維持活動(PKO)の現場をお務めになられ、現在は国連の軍縮部門のトップでいらっしゃいます。いま国際社会の最先端でWPSがどのように議論されているか、最新情報をいただく貴重な機会となりました。
■多国間の国際交渉では既にWPSの「抵抗勢力」が現れている
合意文書のドラフティング交渉の中で「ジェンダーの文言を入れるなら、××の文言も入れろ」といった取引材料にされてしまうこともある。もちろん、WPSに反対の国が増えているわけではないが。
■新興テクノロジーの分野でWPSの重要性が高まっている
AIが活用するデータそのものにジェンダーバイアスがあるため、AIが意思決定するとバイアスが拡大してしまう。この分野での研究と対策は急務。女性への幼年期からのSTEAM教育も重要。
■投資をすればスピーディーに結果が出る
国連の核軍縮分野の女性比率は3割だが、サイバー安全保障の分野では5割を超える。これは、国連が過去数年間にわたって諸外国の若年女性外交官に研修を行ってきたから。投資の結果が数年で出てきた。
国連ではグテーレス事務総長のイニシアティブで、2028年までにすべての分野、すべてのレベルでジェンダー・パリティ(男女比の均衡)の実現を目指す。「男性だけのパネルには出席しない」という明確なルールがある。
■女性が増えたことで、政策効果を出すことが必要
戦略を立てる上で、①女性の参画はもちろん、②女性が参画したことで、政策の中身そのものが良くなることが必要。「女性が増えた、よかったね」ではダメ。
いまの日本社会の問題点をえぐり出すような、鋭いご指摘もいただきました。「WPSの視点は、日本のサバイバルにとって欠かせない。国内の古い価値観で物事を決めていては、世界の潮流から取り残される。」というお話が、強く印象に残りました。