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2023.11.13

東京商工連盟地区会長との懇談会

東京商工連盟会長と地域別地区会長との懇談会で、日本経済の動向と総合経済対策、補正予算について講演させていただきました。私の地元である千代田区、新宿区と、近隣の品川区、渋谷区、世田谷区、北区の地区会長の皆様がご一緒くださり、貴重なご意見もいただきました。

 

 

講演の概要は以下のとおりです。

 

①マクロ経済の先行き

物価高のインパクトを分かりやすく言うと、日本の全世帯を所得が低い順に10のグループに分けた時に、最も所得の低いグループで、電気・ガス・ガソリン・食料等の支出が収入に占める割合が48%。つまり、収入の半分がエネルギー・食料で消えてしまう状況です。

消費者物価指数(CPI)をみると、生鮮食品・エネルギー以外の上昇が著しく、ここ数ヵ月では前年比4%を超えています。いわゆるコストプッシュインフレですが、日銀の見解では賃金と物価の好循環も少しずつ始まっています。

 

②補正予算案の中小企業関連部分

燃料油価格の激変緩和対策が来年4月まで継続します。物資高については、中小企業の方々が価格転嫁の交渉をできるよう政府が環境づくりを行うとともに、商工会議所への支援として、経営相談体制の強化やインボイス相談窓口の構築の支援などを行います。さらに、9月の価格交渉促進月間に実施したアンケート調査と下請Gメンによるヒアリングのフォローアップを行い、中小企業が取引先との価格交渉がしやすくなるように政府からもプレッシャーをかけていくと伺っています。

 

③賃上げと生産性向上

日本商工会議所などの調査・分析によると、中小企業の4割近くが、業績の改善がみられないのに賃上げを実施しています。人手不足対応のための防御的賃上げですが、本来ならば、価格転嫁と生産性向上によってはじめて賃上げが可能になるはずです。

補正予算案では、日本政策金融公庫などによる資金繰り支援と充実させるとともに、人手不足に悩む中小企業が省力化投資を行うための支援策として、人工知能やIT、ロボットなどの汎用製品をカタログから選ぶ形で申請できる仕組みの準備を進めています。

 

④中小企業関連税制

自民党税調がこれからスタートします。中小企業関連では、①今年度末に期限切れの中小企業賃上げ促進税制について、期限延長や赤字企業向けの繰越控除制度の創設、中堅企業向けの制度の新設、②事業承継特例の計画提出期限の延長などが、中小企業庁からの税制改正要望として提出されています。中小企業を応援する立場でこうした税制を後押ししていきます。

 

ご参加の方々からは、「事業承継税制は、特例の期限が終了した後も、一般則の深堀りとして支援を続けてほしい」、「外形標準課税については、課税支払いを逃れるために資本金1億円以下に減資する企業の是非はともかくとして、真面目にやっている中小企業に課税強化とならないようにしてほしい」などのご意見をいただきました。今後の税制改正の議論の中で、いただいたご意見をしっかりと発言していきます。