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2023.10.22

東京都薬剤師連盟 東京なでしこ・フォーラムにて講演

東京都内の女性薬剤師の方々が集う会、「東京なでしこ・フォーラム」に出席しました。

日頃から、地元の千代田区・新宿区の薬剤師の先生方から薬局現場の実情を教えていただいていますが、今日のフォーラムでは、薬剤師出身の本田顕子参議院議員の国政報告や、和田宮子先生よるキャリアデザインのご講演と併せて、私からは『ジェネリック医薬品の今後の展望』と題して、自民党の「ジェネリック医薬品の将来を考える会」議員連盟の事務局長の立場から、昨今の医薬品供給不安に関する課題と対応策について講演させていただきました。

 

 

2021年頃から、ジェネリックメーカーによる製造管理・品質管理に関する不祥事の頻発により出荷停止や限定出荷が相次いでいることから、必要な薬が手に入らない状況が続き、薬局で患者さんに直接接する薬剤師の先生方に多大なご負担がかかっています。

 

そもそもジェネリック医薬品に関して、こうした問題が起こる背景には、①産業構造、②薬価制度や流通慣行における課題、③サプライチェーン上の課題が複雑に絡み合っています。単に「ジェネリックメーカーの数が多すぎる」とか「薬価が低すぎる」というだけではなく、複合的な課題と解決策を一つ一つご説明するために、1時間近くお時間をいただきました。

 

 

議員連盟でも3年以上にわたって供給不安への対策を議論していますが、このところ議論のフェーズが変わってきたように感じています。

ひとつは、医薬業界の問題にとどまらず社会問題化していること。私は先週、BSテレビ東京の「日経ニュースプラス9」からインタビューを受けましたが、経済ニュースの中で取り上げられるのはこれまで殆どなかったことです。

もうひとつは、厚生労働省にとって、もはやこれ以上の猶予はない深刻な課題であり、財政当局の問題として諦めるのではなく、今まで以上に真剣に取り組んでいることです。先日、武見厚労大臣が記者会見で発表した緊急対応の中で、不採算品について薬価上の対応をすることが明言されました。医療・介護・障害のトリプル改定を控えたこの時期に、薬価に言及したところに、行政の強い危機感を感じました。

 

ジェネリック医薬品の供給が正常化し安定供給が実現するまでには、少なくとも数年はかかります。しかし、今日明日に解決する問題ではなくても、今や世の中全体がこの問題に非常に注目していて、関係者が皆、解決に向けて大きく動き始めている、ということを、薬剤師の先生方にお伝えすることができていれば幸いです。

 

 

 

下記の写真は、10月20日放送のBSテレビ東京「ニュースプラス9」の取材、番組キャスターのトラウデン直美さんとの対談です。