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2023.08.28
クリーニング業界の方々が集まる、一般社団法人クリーンライフ協会の総会で、『環境政策の概況とサステナブルファッション』と題して講演の機会をいただきました。
私たち一人ひとりができるサステナブルファッションの取組で最も重要なのは、「今持っている服を長く大切に着る」ことであり、クリーニングは強い味方です。
一般にはあまり知られていないことですが、ファッション産業は環境に甚大な影響を及ぼしています。
■繊維生産から排出される温室効果ガスはCO2約12億トン分、世界のすべての国際航空と海運の合計を上回ります。世界の工業用水汚染の2割は繊維の染色・処理に起因。また、ポリエステルやナイロンの衣類の洗濯で毎年約50万トンのプラスチックマイクロファイバーが海洋に流出しています。
■日本国内で供給される衣料品では、CO2排出量が世界の4.5%、水の消費量は世界の9.0%を占めます。服1着あたりに換算すると、原材料から廃棄までにペットボトル255本分のCO2を排出し浴槽11杯分の水を消費します。
■国内では昨年1年間で約80万トンの衣類が供給されましたが、その9割は事業所や家庭から使用後に手放されています。そのうち約3分の2が廃棄され、リサイクルとリユースはそれぞれ2割弱にとどまっています。
■消費者アンケートでは、サステナブルファッションを知っている人は約半分、そのうち7割にあたる約36%の方々が関心があるとしながらも、実際に行動をしている人は3.7%にとどまっています。
私自身もクリーニングには大変お世話になっています。汚れがついて諦めていた洋服がキレイになったり、タンスの中でシワになっていた洋服を何年かぶりにクリーニングに出したら新品同様に戻ったり、等々。特に白っぽい夏服は、こまめにクリーニングに出すと何年も長持ちします。
全国クリーニング生活衛生同業組合連合会と、クリーンライフ協会の皆様が中心となって、クリーニングを活用した『サステナブルファッション』を呼びかけるポスターが、もうすぐ全国のクリーニング組合加盟店の店頭に掲示されるそうです。
皆様も、衣類のお手入れの専門家であるクリーニング屋さんを活用いただいて、サステナブルファッションに取り組んでいただければと思います。