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2023.03.27

大阪ガス カーボンニュートラルリサーチハブを訪問

大阪市此花区酉島にある、大阪ガスのメタネーション研究施設を訪問しました。

 

 

メタネーションとは、水素とCO2から合成メタンを生成することです。メタンは都市ガスとして使われている天然ガスの成分とほぼ同一であり、天然ガスの代わりに合成メタンを使用することで、都市ガスの脱炭素化を図ることができます。日本ガス協会では、2030年までに都市ガス導管に1%以上の合成メタンを注入することを目指しています。

 

メタネーションには3つの方法があります。

①サバティエメタネーションは再エネで水を分解して得た水素とCO2からメタンを生成する従来的な手法で、2030年を目途に商用化の見通しです。再エネ価格が非常に高い日本で水素をつくるのはコスト面で課題があるため、海外拠点の開発が模索されています。

 

一方、②SOECメタネーションは、まず再エネ等により水やCO2を電気分解して水素と一酸化炭素を生成し、そこから触媒反応によってメタンを合成します。 原料として水素を調達する必要がなく変換効率も高いですが、実現までには技術的なハードルが残されており、商用化は2040年頃となる見通しです。

 

もう一つの③バイオメタネーションは、生ゴミや下水のバイオガスを利用してメタン細菌を用いてメタンを合成するもので2030年の商用化を目指しており、2025年の大阪万博で、会場から出る生ゴミからメタンを合成するプラントが公開される予定です。

 

今日、大阪ガスで見せていただいたのは②SOECと③バイオです。(先月、横浜市鶴見区にある東京ガスの実証施設で拝見したのは①サバティエです。)

 

 

これまでに3,000人もの人々が見学に訪れただけあって、実験装置と映像を組み合わせた説明がとても分かりやすく工夫が凝らされていました。

SOECの実証事業は政府のグリーンイノベーション基金事業として産官学が一体となって進めているプロジェクトです。約10cm四方の金属製電解装置を通して、CO2と水から合成メタンが生成され炎となって出てくる瞬間は、目の前で見て感動します。今は約6ミリの小さな炎ですが、いずれ数千〜数万戸へのガス供給を支える大きな炎となるには、これから多くの技術的な課題が待ち受けています。必ず成功させる、という関係者の方々の強い信念を感じました。

 

日本は環境後進国だといわれますが、環境の「技術」という点では、決して欧米に引けを取っていないように思います。日本が遅れているのは技術ではない、社会実装のための政策や制度が遅れているのではないか、という印象があります。研究者や技術者の方々の努力に遅れることがないよう、行政も不断の努力が必要だと感じています。

 

 

↓ ブログ『東京ガス横浜テクノステーション訪問』はこちら

https://miki-yamada.com/blog/10928.html