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2023.02.15
熊本市と球磨村を訪問、地域における脱炭素の取組を視察させていただきました。昨年の暮れに、都市部の地域脱炭素の先行事例として横浜市(横浜みなとみらい21)を拝見しましたが、今回は地方の先行事例を学ぶ機会をいただきました。
2016年の熊本地震は、断水43万戸、停電46万戸、避難者数が最大18万人という甚大な被害となりました。熊本市ではライフライン強靭化の重要性を再認識したとのこと。災害に強いまちづくりを進めるべく、民間企業と連携して地域エネルギー会社を設立し、地域エネルギー事業に乗り出ました。
まずは西部環境工場によるごみ発電電力の市有施設への供給。これによって電気料金が年間1.8億円削減され、それを原資に市民や事業者へ省エネ設備等の導入補助を実施しています。
さらに西部環境工場から、災害時の避難場所となる近隣の城山公園の電気自動車充電拠点まで、地下に自営線(自前の電線)を敷設。災害時には電気自動車によって避難所に電力を供給する仕組みを整備しています。
また、防災拠点となる市有施設には大型蓄電池を設置し、平時には昼夜間の電力の需給調整、災害時には電力の供給を行っています。写真はアクアドームくまもと。ドームの後背地に巨大な蓄電池があります。室内プールとアイススケートリンクでの電力利用量のデータを蓄積して分析し、将来的には効率的な電力需給調整を目指しているそうです。
熊本市を含む19市町村(※)で構成される「熊本連携中枢都市圏」では、2021年3月に日本で初めて単一の市町村ではなく区域として地域温暖化対策実行計画を策定しました。様々な行政分野で構成市町村の役割分担を議論した結果が、温暖化対策での連携に結びついたそうです。(※策定時点では18市町村)
(後編)球磨村の地域脱炭素の取組 はこちら↓
https://miki-yamada.com/blog/10976.html