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2022.09.21
港区元麻布にある区立南山小学校を訪問し、GIGAスクールの取組を拝見しました。港区は2020年10月末までに区立小中学校の生徒・教職員全員に一人一台タブレット端末配布を実現し、オンラインの授業や保護者会、デジタル教科書の整備、ネットワーク環境の強化、ICT支援員の増強を進めており、今年度はさらに、コンピューターによる学力調査の試行や情報モラル教育など、新たな試みを進めています。全国的にも先進事例であることから簗和生文部科学副大臣をはじめ文科省の方々がご来訪され、私も地元議員としてご一緒させていただきました。私が小学校に通っていた時代とは隔世の感!未来を生きていく子ども達の頼もしい姿に感動しました。
6年生の歴史の授業では、「なぜ日本は元寇に打ち勝つことができたのか?」を生徒それぞれがタブレットで蒙古襲来絵詞を見ながら自分の意見を書き込み、発表していました。1年生の国語の授業では、生徒たちがタブレットで書いた「あいうえお作文」を先生がタブレットで写真にとってスクリーンに映写して授業を進めていました。
港区の公立小中学校は外国籍の生徒も多く、港区独自の取組としてEnglish Support Teacherの制度を設けています。南山小学校は生徒の2割が外国籍であり、7人のEnglish Support Teacherがいらっしゃるとのこと。少人数で英語による授業を行う教室もあれば、通常学級の中でサポートを受けながら日本語の授業を受ける教室もありました。4年生の理科の授業では土砂の沈殿について学んでおり、英語ネイティブの生徒たちのために英語での解説も準備されていました。
生徒の学習環境の充実もさることながら、教員の方々の負担軽減もGIGAスクールの大きな成果です。生徒さん一人ひとりが良くできたこと頑張ったことを先生が授業をしながらタブレットに簡易入力できるしくみ、学校便りの電子配信、欠席の連絡を保護者に自宅からタブレット入力してもらうことで出席簿作成の手間がなくなること、等々。職員室の先生方の机がとてもきれいに整理整頓されているのに驚きました。
GIGAスクールへの移行で最も大変なのは、教員の方々なのではないかと感じます。自分自身が新しいシステムに慣れる、生徒たちに説明する、保護者からの意見や質問に一つひとつ対応するなど、これまでにも大変なご苦労をされたことと拝察します。今後も直面する課題は日々進化しており、特にネットを巡るモラル・マナーの問題はいたちごっこだとも言われます。「やみくもに規制するのではなく、何のためにやるのか目的をはっきりさせることが大切」という港区教育委員会の方のお言葉はまさしくその通りだと感じました。
先月、文部科学省の発表で「昨年度、全国の公立小中学校に配備された端末の数が児童生徒数を上回り、『1人1台』の環境が整った」とのニュースがありました。まさにこれからがスタートです。国と自治体がしっかりと連携して先進的な取組を全国展開していくことで、子ども達の学びがますます充実することを願っています。