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2022.04.11

更生保護施設「真哉会」を訪問

自民党の再犯防止推進特別委員会(渡辺博道委員長)、更生保護を考える議員の会(田中和德会長)のメンバーとして、足立区にある更生保護施設「真哉会」を訪問しました。

 

 

 

更生保護施設とは、刑務所や少年院を出た人、執行猶予中の人などのうち、頼る人がいない、生活環境に恵まれない、社会生活がうまく営めないなどの理由ですぐに自立更生することが困難な方々に対して、一定期間、宿泊場所や食事を提供し必要な指導や援助等を行うことで、再犯を防止し再出発を支援する民間の施設です。全国に100を超える更生保護施設がありますが、この施設は先代から引き継がれたご家族によって運営されていることが特徴です。

 

昨年末の法務省の発表によると、昨年刑法犯で検挙された人のうち再犯者の割合は過去最悪の49%に上り、社会全体として再犯を防ぐための仕組みの強化が急務です。更生保護施設が抱える課題として、予算の制約で職員の待遇改善が思うように進まない、高齢者や障がい者の入所者が増え就労支援が難しくなっている、更生保護が法務省(国)の事務であるため地方自治体の組織体制や予算が整っていない、等が指摘されています。

 

全国的な課題に加えて、都内の施設ならではの悩みについてお伺いしたところ、繁華街の誘惑が多く特に入所者とギャンブルとの関わりは把握が難しいなど指導上の難しさとともに、若い世代の職員の人材確保が難しい、地方に比べて土地が狭く施設の規模が小さいため建物の償却費や電気代・水道代が割高になってしまう、老朽化した施設を建て替える際に余剰の土地がないため施設を閉じざるを得ず職員の雇用を失ってしまう、等の施設運営の難しさについて、詳しく説明してくださいました。施設の持ち出しの費用負担が年々増えており、国からの助成の拡充が急務です。

 

更生保護施設とともに、犯罪や非行をした人の立ち直りを地域の民間ボランティアとして支えてくださっているのが保護司の方々です。保護司の方々に報酬はなく、近年では担い手の不足が深刻な問題になっています。更生保護を支えてくださっている方々の社会奉仕のお気持ちに、国はいつまで頼ることができるのだろうか、という不安を感じます。
施設の職員の方と談笑していた入所者の方は、穏やかで優しい表情をされていました。人を救うのは法律や制度だけではない、温かい人間の心なのだと感じた瞬間でした。