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2020.02.28
自民党の文部科学部会の下に、『医工連携教育推進ワーキングチーム』が設置され、松野博一会長のもと、私は事務局長を務めさせていただくことになりました。
『医工連携』とは、医学分野と工学分野が連携して、新しい医療機器を開発することです。医薬品と医療機器では、研究開発の方法が異なります。
医薬品は、企業や大学のシーズを基に開発がなされ、臨床現場で評価されます。基本的に物質の特許は一つです。これに対して医療機器は、医療現場のニーズを発端として開発が進みます。製品化して上市した後も絶え間なく改良がなされるため、特許も基本特許だけではなく改良・周辺特許が必要であり、必然的に医療現場と産業界の連携が重要となります。『医工連携』は多くの場合、①ニーズを持つ医療機関と、②技術を持つものづくり中小企業と、③製造・販売を担う製販企業の連携が核となります。
日本の医療機器市場は約3兆円と順調に伸びていますが、輸出入では約1兆円の輸入超過となっています。日本は内視鏡やCT、MRIなどの診断機器分野は強いのですが、治療機器分野では国際競争力が弱いのが特徴です。
このワーキングチームは、大学・大学院・高等専門学校などの教育現場の視点から日本における医工連携の更なる強化を図っていくことを目的としています。日本の大学・大学院の中にも、医学部・工学部といった従来の学部や研究科等の組織の枠を超えて、柔軟なプログラム編成を行う所が増えてきました。今後、大学や企業などからヒアリングを重ね、5月頃を目途に提言案をとりまとめる予定です。