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2016.04.08
3月にテレビで放映された『のどじまんTHEワールド』で優勝したキルギス人のグルムさんをご存知でしょうか。「元気を出して」、「涙そうそう」、テリー伊藤さんをはじめ多くの審査員の方々が涙した、圧巻の優勝でした。全盲で日本語は分からないグルムさんに、「日本語で歌を歌ったら?」と勧めたのは、JICAのシニアボランティアとしてキルギスで障害者支援をしていた松田さんという日本人の方でした。(写真左は昨年末に東京・大井町きゅりあんにて、写真右は今回)
グルムさんの故郷キルギスは、天山山脈を挟んで中国と接する中央アジアのシルクロードゆかりの地、首都ビシュケクも3,000mを越える高い峰々が迫っています。昨年、安倍総理は日本の総理大臣として初めてキルギスを訪問し、運輸インフラ分野での経済協力をはじめ、二国間の関係強化への機運が高まっています。(写真左はビシュケク市内。写真右はJICAの支援による一村一品運動)
今回、私が最初に訪れたのはビシュケク市内の病院、医療相談サービス・スポーツ医療センターです。年間20万人の患者が利用するこの病院に、日本の草の根無償資金協力で、日立製の超音波診断装置をはじめとする医療機器が供与されました。これまで30年以上も古い機材を使っていたとのこと、聴力検査などキルギス国内でこの病院でしか検査できないものもあり、今後は地方への医療機器の普及が課題です。
アブディルダエフ外務大臣、バアティルベコフ委員長、イサコフ大統領府副長官をはじめ要人の方々と会談しました。キルギスは中央アジア諸国のなかでも特に議会制民主主義の定着に力を入れています。昨年のキルギス議会選挙では、日本から、投票者の本人確認のための機材を供与し監視員を派遣しました。選挙後のトラブルもなく、「国民の過半が意思決定に参加したことは大きな意義がある」と、感謝の言葉をいただきました。
夜には、小池駐キルギス大使の主催で、『グルムさんの日本での芸術活動の成功を祝う会』が開催されました。グルムさんの歌声は、障害を持つ方々だけでなく全ての人にとって、「努力をすれば必ず夢は叶う」と信じさせてくれる、太くて力強い歌声です。
翌日は朝4時にビシュケクを出発してウズベキスタンのタシケントへ。ホテルの方々が朝ごはんのお弁当を作ってくれました。