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2016.02.07
2月7日は「北方領土の日」。北方領土返還運動の原点の地、根室市を訪れ、住民大会に出席しました。
ずいぶん昔のことですが、夏に終わりに、網走から釧路までレンタカーを運転して旅をしたことがあります。知床半島の羅臼から見た国後島は本当にすぐそこで、夏の日差しでゆらゆら揺れる島の稜線に、何か影が動くのが肉眼で見えるほどでした。 今回は真冬の訪問となりました。納沙布岬と向こうに見える島々との間には、いったいどうしたら境界線など引けるのかと思うほど、わずかな海しかありません。
元島民と後継者の方々との意見交換の機会をいただきました。80歳を越えて語り部の仕事を続けるのは体力的にしんどい。昨今の経済状況では、後継者の方々も本業のかたわら返還運動を続けていくのは難しい。そして何よりも、故郷の島、祖先が眠る場所を、自由に訪れることすらできない状況が70年も続いていることが、どれほど異常で耐え難いことか。胸に迫る言葉でした。
根室管内の一市四町(根室市、羅臼町、標津町、別海町、中標津町)の首長の方々と、意見交換をさせていただきました。この1月からロシア200海里水域で、さけ・ますの流し網漁が禁止となり、水産業が大打撃を受けていることをはじめ、地域経済の現状を詳しくお伺いしました。
ウクライナやシリアなど、ロシアを巡る国際情勢は複雑化していますが、昨年9月の岸田外相のモスクワ訪問以降、平和条約締結交渉が再開し、首脳レベルでも相互の訪問に向けて調整が進んでいます。しかし北方領土問題について日本とロシアの立場には隔たりがあり、交渉のゆくえは楽観できません。
根室管内住民大会では、政府代表として激励のご挨拶をしました。長年、北方領土返還の運動にかかわってこられた方々は、きっと、「あぁ、今年もまた、新任の政務官が来たな」と思われたことでしょう。息の長い強い政治家になって、解決のために尽くしたいと思います。