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2025.06.04
学習院大学の学生さん達が、国会議事堂と自民党本部の見学にお越し下さいました。
国会のあるべき姿を考える上で、3つの視点をお伝えしました。
①国民の代表をいかに選ぶか?
一票の格差是正のために、地方では選挙区が消滅、都市部では頻繁な区割変更が問題となっています。参議院の合区も解消されていません。公平かつ公正な選挙制度のあり方が問われています。
②国会での議論はどうあるべきか?
国会での質疑は事前に全て質問登録することが原則であり、質疑のシナリオは事前に決まっています。
また、法案は国会に提出される前に与党の事前審査で中身が決まり、国会の議論で法案の修正がなされることは稀でした。現在は少数与党のため令和7年度予算などで国会で法案の修正がなされましたが、これを「熟議の国会」として評価するか、法案の内容が与野党間の取引に使われることを懸念するか、評価が分かれるところです。
③未来の国会の姿は?
デジタル化が進むと、究極的には、国会のような国民の代表者による間接民主制は必要なのかという議論に行き着きます。世界の国々の中には、顔認証をした上でネット投票を実施している国もあります。簡単に投票できるのならば、何も代表者を選ぶのではなく、政策そのものの是非をその都度ネット投票で国民に是非を問うことも可能です。他方で、ネット投票などの直接民主制では短期的な利益や人気に偏った政策が取られがちです。また、偏見や差別を煽ることで、社会の分断を招くこともあります。SNSの選挙への影響が議論となっていますが、民主主義の未来の姿について、今から問題意識を持つ必要があるように感じます。
今の国会の姿は、長い歴史の中の一コマです。学生さん達にとって、未来の政治のあり方について考える良い機会になればと思います。