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2024.05.28
『ジェネリック医薬品の将来を考える会』議員連盟で提言をとりまとめ、武見厚労大臣と鈴木財務大臣に申入れを行いました。
2017年の議連発足以来、事務局長を務めており、毎年6月の骨太の方針に先立って提言をまとめています。相次ぐ不祥事と供給不安の問題から、ジェネリック医薬品のあり方自体が問われる中で、今年の提言では、いま過渡期にあるジェネリック産業を関係者すべての力で「育て直す」ことを主眼として、安定供給のための法的枠組みの整備など、これまでになく踏み込んだ提言を行っています。
提言策定にあたっては、次の3つの視点を強調しています。
①品質文化の醸成を各社に任せるのではなく、企業・業界へのチェック&レビューを行っていくこと。
②供給不安の原因は薬価制度だけではなく、(1)業界のビジネスモデル、(2)薬価・流通の課題、(3)サプライチェーンの課題などに対して総合的な解決策を示す必要があること。
③GMPや製造現場に精通した人材育成を通じて、我が国の医薬品の製造技術力の再生と新生に繋げること。
そのうえで、持続可能な産業構造の構築や、薬価・流通の仕組みの構築、サプライチェーンの強靭化について詳しくまとめています。
武見厚労大臣からは、ジェネリック医薬品産業の抜本的な立て直しについて政府としても取り組んでいくとの力強いお言葉をいただきました。鈴木財務大臣からは、社会保障制度を支えるジェネリック医薬品の供給を確実にするために、産業の再編・育成に向けた財政支援の必要性などについてもご理解をいただきました。
これから始まる骨太の方針の議論では、新薬を含めた医薬品に関しては、中間年改定の廃止や、費用対効果評価を薬価収載の判断に用いないこと等も議論になると伺っています。本来ならば創薬大国であるはずの日本が、世界の潮流からこれ以上遅れをとることがないよう、今がまさに瀬戸際なのではないかと感じています。