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2024.04.06
東京都内の薬剤師会の先生方が集まる『薬局・薬剤師の未来フォーラム』に出席し、「医薬品の流通状況」と題して講演の機会をいただきました。
医薬品の供給不安の改善状況と、自民党の議員連盟『ジェネリック医薬品の将来を考える会』での議論の動向について、厚生労働省の『後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会』の報告書骨子に基づいてお話ししました。
政府による足元の対策としては、
①まずは、製造管理・品質管理体制の確保を徹底するために、全ての後発品メーカーが遅くとも6ヵ月以内に徹底した自主点検を行って、結果を公表し国と都道府県に報告することとなっています。
②ジェネリック医薬品の産業構造を改善し、少量多品種生産をやめて効率的な製造ができるよう、市場撤退しやすいよう薬価ルールを改定したり、基礎的医薬品や安定確保医薬品を総価取引の対象にしないよう流通ガイドラインを改訂したりしています。
③そして、安定供給能力を高めていくために、各企業の安定供給に向けた努力を点数で評価し、真面目に取り組んでいる企業に対しては薬価算定の中で優遇する制度が試行的に始まりました。
相次ぐ行政処分に対しては、行政が厳しく監督すれば不祥事が無くなるか?というと、それだけではないように思います。メーカーさん自身が、良い薬をつくって患者さんに届ける、という誇りと使命感を高めていただくことが大前提です。また、国と製薬企業の関係のあるべき姿については、「国はもっと積極的に介入すべきだ」という厳しい意見もあります。薬剤師の先生方には、値引きに惑わされず、安定供給できる会社かどうか?という視点で薬を選んでくださるよう、お願いしました。
その後、薬剤師出身の国会議員、本田顕子参議院議員と神谷政幸参議院議員からの国政報告を拝聴し、参加されていた170名超の薬剤師の方々のグループ・ディスカッションに参加し、薬局の現場の声をお伺いする機会をいただきました。
10年後、20年後に薬局はどうなっているのか?若い薬剤師の方が将来に希望と期待をもって仕事ができる環境をつくるためには、立法府に大きな責任があることを痛感しました。