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2024.02.27

企業における女性活躍

自民党の女性活躍特別委員会の事務局長を務めています。今夏に政府が策定する『女性版骨太の方針2024』(女性活躍・男女共同参画の重点方針)に向けて、党内でもヒアリングを進めています。今日は伊藤忠商事から人事・総務部の方々をお招きし、女性活躍の先進的な取組についてお話を伺いました。

 

 

日本企業における女性役員の比率は諸外国と比べて極めて低く、2022年時点で日本以外のG7諸国の平均が38.8%、OECD諸国の平均が29.6%であるのに対し、東京証券取引所上場企業の平均は9.1%、プライム市場に限っても11.4%に過ぎません。こうした状況を改善すべく、東京証券取引所のプライム市場では、上場企業に対して、①2025年を目途に女性役員を1名以上選任すること、②2030年までに女性役員の比率を3割以上とすること、③こうした目標を達成するための行動計画を策定すること、を努力義務としています。この結果、プライム市場上場企業で女性役員が一人もいない企業は、この1年間で18.7%から10.9%に半減しました。日本においても女性活躍は企業経営の重要な指標となりつつあります。

クレディスイス等による46ヵ国3,000社に対する調査によると、取締役会における女性割合が高い企業ほど株価パフォーマンスが高いことが判明し、日本においても「なでしこ銘柄」選定企業のPBR(株価純資産倍率)は過去10年にわたって常に東証一部平均を上回っているという結果が出ています。

 

伊藤忠商事では、男性社員の共働き比率が20年前には1割だったのに対し、今では4割超と大幅に増えたなかで、これまでの女性活躍支援は3つの段階を経てきたそうです。①2000年代初頭は制度は拡充したものの取得が課題だった、②2010年前後では制度の取得は増えたものの濫用されるケースもあった、③近年では役職候補が増え登用が課題になっているとのこと。こうした経験を経て、「女性に特化した施策はうまくいかない」、「男性の意識改革が重要」、「一律ではなく個別事情を踏まえた個別支援」という教訓を得たそうです。

特に、男女を問わず働き方改革に力を入れ、20時以降の残業を原則禁止し翌朝5~8時の勤務にインセンティブを付与した朝型勤務を導入したり、就労世代の女性にがん罹患率が非常に高いことを踏まえてがんとの両立支援体制を構築。最近では、男性育休の取得を必須化し、不妊治療や卵子凍結の支援も取組を始めているとのことです。

お話の中で特に印象に残ったのが、『厳しくとも働きがいのある会社』を目指しているという点です。商社は海外転勤も多く社員もご家族もご負担の多い職場ですが、例えば夫の海外転勤でやむを得ず休職した女性社員の方々の中にも海外で語学や資格を身につけて戻られる方も増えており、会社としても復職支援に力を入れているというお話には元気づけられました。

 

日本の経済成長を支えてきた総合商社は、海外でも”Japanese Sogo Shosha”と言えば通じるほど、日本独自のビジネスモデルを誇ってきました。大企業でありながら、時代の変化に合わせて女性の力を最大限に活かせるよう柔軟に新しい働き方のモデルを構築しているところに、総合商社の底力を感じました。