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2023.12.14
上川陽子外務大臣が会長を務める議員連盟『女性・平和・安全保障(WPS)議会人ネットJAPAN』(以下、WPS議連)と、超党派の国際女性活躍議員連盟との共催で会合が開かれ、米国から来日されたメレーン・バービア元米国務省国際女性問題担当大使からお話を伺いました。
米国をはじめ各国において、紛争予防や平和構築などの安全保障関連政策に女性の視点を取り入れる『女性・平和・安全保障』(WPS: Women Peace & Security)に関する取組が進展しています。2000年に国連安全保障理事会で採択された決議1325に基づいて世界103ヵ国でWPS行動計画を策定しており、日本も2015年の第一次行動計画策定以来取り組んできましたが、実施を担う人材不足が課題として挙げられています。また、各国では既に政府の関係部局・機関にWPS担当官が設置されており、日本でもカウンターパートの体制整備が急務です。
昨年10月に発足したWPS議連では、①女性自衛隊員の能力が十分に発揮される環境の整備、②防災や災害対応における女性の人権尊重とジェンダーに配慮した取組、③紛争や自然災害下におけるジェンダーに基づく暴力の撲滅と防止、④国内外の専門機関や学術機関との連携、を活動内容に掲げており、私もこの秋から事務局長を務めさせていただくことになりました。
本日お招きしたバービア大使は、オバマ政権の際に初の国際女性問題担当大使をお務めになられ、現在は米国ジョージタウン大学WPS研究所の所長を務めておられます。参加した日本の議員からは、「日本においてWPSという政策テーマの認知度を上げるにはどうしたらよいか?」、「男性の参画を促す方法はないか?」、「Z世代に対してどのようなアプローチをしたらよいか?」などの質問がありました。
バービア大使のお話の中で大変興味深かったのは、米国議会のWPS議員連盟では共同代表の一人が男性議員であり、「かつて自分がアフガニスタンで兵士として戦った際に、女性兵士がいなければ色々なことができなかった」というのが参画した理由だ、というお話でした。
WPSはもちろん、気候変動、SDGs、ウェルビーイングなど、グローバルな政策アジェンダの潮流は、いつも海外から訪れます。日本は単にキャッチアップするだけでなく、日本の経験、日本人の気質を活かした付加価値をつけられるように、国内での取組や海外との交流を深めていきたいと思っています。