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2022.12.05
東京都トラック協会の勉強会で、トラック/バスの脱炭素化に向けた環境省の取り組みについてお話しさせていただきました。
日本における二酸化炭素排出量の内訳を見ると、運輸部門が全体の約2割、そのうちトラックからの排出量が約4割です。
政府は、電動車(電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車、ハイブリッド車を指す)の導入目標について、乗用車は2035年までに新車販売で100%、8トン未満のトラック・バスは2030年までに新車の20〜30%、2040年までに水素エンジンや合成燃料も合わせて100%を目指すとしています。(8トン以上の重量車は技術的にただちには電動化が難しいため、2030年までに2040年の目標を設定する予定。)
現在、総理官邸で行われているGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議では、今後10年のロードマップの議論が進んでおり、経済産業省が示した叩き台では、今後10年間で自動車分野に約34兆円、商用車の電動化に約3兆円の投資を見込んでいます。
諸外国の電動トラックの導入状況をみると、中国が登録台数約1万3千台と独走状態であり、日本は登録台数280台と市場の形成が大幅に遅れていることを実感します。
政府による商用車の電動導入補助金は、①環境省が2.5トン以上のトラックと白ナンバーのバス、燃料電池バス(緑・白ナンバーとも)、フォークリフトやキッチンカーなど多目的車両の燃料電池化、②国交省は商用車のうち環境省が支援していない車両、③経産省は乗用車を対象に支援を行っており、環境省では、車両導入補助金だけでなく、開発実証や性能評価事業なども行っています。他にも、廃棄物からエタノールを製造したり、合成燃料の開発を進めるなどの取組も進められています。
経済の血液ともいわれるトラック物流は、経済成長と環境配慮の両方を実現する要となる存在です。政府や環境省としても全力で後押しをしていきたい旨をお伝えしました。