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2022.03.09
衆議院法務委員会で質問に立ちました。ウクライナからの避難民の受け入れ、司法外交の意義、日本の国際競争力強化に向けて「攻める法務省」へ、等々。
■ ウクライナ危機に際して、日本の司法行政が果たす役割
私は5年前に外務大臣政務官を務めておりました時に、ベラルーシの首都ミンスクと、ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所敷地内の2ヵ所でそれぞれ開催された、チェルノブイリ原発事故後30年の追悼式典に出席しました。ロシアも含め各国の政府関係者が一同に会し、犠牲者の記念碑に花束を捧げ、二度と再び悲惨な事故を起こさないと誓ったにもかかわらず、今回、原子力発電所が攻撃され占拠されたことは、にわかには信じられず、決して許されない暴挙だと感じています。ウクライナの方々は家族が生き別れになり、再び会えるか分からないという悲劇は、現代の出来事とは思えず、こうした状況を一日も早く終わらせたいと強く願っております。
日本国内に2,000人弱いらっしゃるウクライナ人在留者への在留期限延長などの対応はもちろん、日本への退避を希望するウクライナ避難民の方々が一刻も早く安心していただけるよう、受け入れに向けた具体的な手続について示すよう、古川禎久法務大臣に申し入れました。
■ 日本の国際競争力強化における司法行政の役割
2000年前後からアジアのハブになっていた香港が、事実上の中国化に伴って、国際ビジネスの急速な脱出が進んでいます。避難先としてシンガポールと日本がライバル関係にありますが、日本の国際競争力強化のために、国際ビジネスにとって魅力的なインフラ整備が急務です。シンガポールとは比較にならない高額の税率を踏まえても、国土の大きさ、民主的社会基盤など、日本が提供できる魅力は大きいと考えます。
他方で、日本は法的インフラの国際化が大きく遅れています。日本法はまともな英訳すらないものが多く、また各種届出も英語では受け付けていません。英語を公用語としているシンガポールとは異なり、日本では当局の英語対応能力も極めて低いのが実情です。欧米レベルのビジネスにおける適正手続の整備もまだまだ遅れています。こうした課題の多くは法務省の所掌範囲であり、法務省の取組が、日本市場の国際的ハブとしての復活のための大きな鍵を握っていると感じています。
日本の国際競争力を確保するための法的インフラの整備として、①日本法令の外国語訳の整備、②各種申請・届出の英語化(法務省の関連では会社設立登記を英語でできないか)、③国際仲裁のインフラ・法制度整備を、法務当局に強く要請しました。
↓ 詳しくは議事録をご覧ください。
(準備中)