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2023.02.15

熊本を訪問② 球磨村の地域脱炭素の取組

熊本市の後は、車で1時間半ほど移動して球磨村へ。球磨村の『脱炭素×創造的復興によるゼロカーボンビレッジ創出事業』は、脱炭素と災害復興と地域活性化を併せて実現できる取組であり、環境省の「第一回地域脱炭素先行地域」に選定されました。

 

2020年7月豪雨による球磨川の氾濫で、球磨村では全家屋の3分の1にあたる500戸が浸水・倒壊し、大規模な停電や断水にも見舞われました。2年7ヶ月経った今も仮設住宅が残り、復興は道半ばです。

球磨村では主要産業の林業を生かしたバイオマス利用も行われてきました。災害を契機に、球磨村と球磨村森林組合と地域新電力の株式会社球磨村森電力が中心となって、村内の公共施設等への自家消費型太陽光・蓄電池の導入や、荒廃農地や林地等を活用した太陽光発電による電力供給、林業加工施設等の脱炭素化を進めています。村内の電力需要の70〜80%を自前の再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げています。

 

 

 

 

 

一勝地小学校の屋上では、太陽光パネルで発電された電気が蓄電池に蓄積されます。この電力を近隣の公共施設に供給するにあたって、施設の電気需要の予測が可能になるよう準備が進められています。

 

 

 

 

 

球磨村では、熊本大学と連携して電動スクールバスを運行する実証実験も行われています。スクールバスの特性として、朝1回、午後2回の運行以外は停止しており、太陽光の発電量が多い日中にバスに充電した電力を走行に使えるほか、電動バスの蓄電池を利用して移動可能な非常電源としても活用が可能です。私も実際に乗車させていただきましたが、蓄電池の重みでずっしりとした安定感のある走行で乗り心地は快適です。課題は電動マイクロバスをいかに調達できるか。自動車業界においても企業の枠を超えた協力体制が課題です。

 

 

 

日ごろ東京の都心で生活している私にとって、都心とは全く異なる「脱炭素」への取組を目の当たりにできたのは本当にありがたい経験でした。

今回視察させていただいた熊本市と球磨村は、自然災害の悲痛な体験が脱炭素を進める原動力になったと伺いました。関係者の皆様の「脱炭素を実現して地域の安心安全を取り戻したい」という切実な思いと強い信念を感じ、私自身も「脱炭素は必ず人を幸せにする」という確信を得た出張となりました。

 

(前編)熊本市の地域エネルギー事業 はこちら↓

https://miki-yamada.com/blog/10963.html