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2021.11.25

シンポジウム『納税で持続可能な日本』に出席

麹町納税貯蓄組合連合会が主催するシンポジウム『納税で持続可能な日本』に出席しました。一昨年、昨年に続き、3回目の参加となります。

 

冒頭、かつて自民党税制調査会の重鎮でいらっしゃった津島雄二先生と、立教大学名誉教授の阿部治教授から基調スピーチをいただいた後、麹町納税貯蓄組合連合会長で税理士の浅見哲先生の司会進行のもと、宮城教育大学の小金澤孝昭名誉教授、早稲田大学の伏見俊行教授、SDGs市民社会ネットワークの星野智子理事、ジャーナリストの高世仁氏と共に、コロナと財政規律、SDGsと税などについて議論しました。

 

 

 

「国民が税を払おうと思うか否かは、政府への信頼の問題ではないか?」、「大学で教鞭をとっていると、若者は減税に否定的だ」、「だとしたら、そうした若者の意見はなぜ世論として出てこないのか?」等々、議論を重ねていくうちに、①財政規律のあり方と②税に対する世論の2つの大きなテーマに集約されてきました。私からは以下のように申し述べました。

 

財政規律のあり方については、自民党内にも財政規律派からMMT論者まで幅広くいますが、私自身は野放図な歳出拡大はすべきでない、という立場です。一方で、歳出規模が少なすぎるために行き詰ってしまう政策分野があるのも確かです。ひとつは薬価について。コロナ禍で「なぜ日本は国産ワクチンを開発できなかったのか?」が大きな話題となりましたが、ワクチンに限らず新薬が日本で生まれなくなっている背景には、政府が薬の価格を過度に削減するために製薬企業の採算が合わなくなり、新薬開発に十分な投資ができない事情があります。研究開発も同様です。人工知能や5G、宇宙をはじめ国が力を入れるべき研究開発分野は様々ありますが、日本の研究開発費は米国や中国に遠く及ばないのが現実です。「財政規律が国を亡ぼす」ということがないように、必要な分野では国が十分な歳出を行うことが重要です。

 

税に対する世論については、税金を取られることよりも使い道に対して厳しいご意見が多いように感じます。個人レベルでは「国からの給付金が本当に困っている人に届いているのか?」という問題があります。国が国民個々人の所得を完全に把握して高所得者に給付対象から除外すればこの問題は解決しますが、個々人の所得が赤裸々になってしまう仕組みの導入に関しては国民感情として反対論が強いのも確かです。また法人への補助金や政策減税については「国の制度が本当に政策目的に適っているか?」という観点が常に問題になります。特定業界への補助金や税制優遇が利権の温床になっていないか、厳しいチェックが必要です。

 

突き詰めると、「税制はフェア(公正)でなければならない」という考えに行き着きます。様々な利害関係人がいるなかで簡単に判断できることではありませんが、時々刻々変わる社会情勢を踏まえ不断の議論を重ねていくことが、税制を決める国の政治家の大きな使命のひとつだと考えています。