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2021.04.26

コロンビア大学日本同窓会リレー講演

コロンビア大学日本同窓会のWEBセミナーで講演の機会をいただきました。卒業生がリレー講演を行う企画で、山下貴司議員、小泉進次郎議員、御法川信英議員からバトンを引き継ぎ、ビジネススクールからは初登場となりました。

 

演題は、『グローバルからローカルへ - 東京の都心の視点から』。下記はお話しした内容の要約です。

■なぜMBA卒業生が政治を志すことになったのか?
(なぜMBAを専攻したのか) 法学部卒の公務員で通商交渉に関わっていたのならロースクールや公共政策を専攻すべきところでしたが、無理をして畑違いのMBAに行ったのは、起業したいわけでも経営者になりたいわけでもなく、自分が女性だったからです。今でこそ女性活躍などと言われますが、当時は霞が関では年次が上がるにつれて女性のポストは非常に少なく、もしもの時のために、というのがきっかけでした。(その後なぜ政治家を志したのかは、いつも自己紹介でお話ししている通りです。)

■日本の政策課題は何か?(グローバルな視点と、東京1区のローカルな視点から)

【グローバルな視点】
近年、これまでの国際秩序が大きく変化しており、コロナ禍がその動きを加速化している。

私が通産省に入った25年前は、「自由貿易」と「規制緩和」の全盛期。しかし、自由貿易体制の要であったWTOは、その後加盟国の増加により意思決定ができない機能不全に陥った。近年は国連に代表される国際機関で中国の発言権が増大し、コロナ禍を経てこの傾向が顕著になっている。国際機関は、機能不全というのを越えて、自由主義諸国を不利にする存在になりつつあるのではないか。中国の覇権的な動きを国連がオーソライズする、という構図を危惧している。日本も米欧など自由と民主主義の価値観を共有する国々と共に、多国間の国際機関におけるプレゼンスを高める努力が必要である。

官と民との関係にも大きな変化。自由な競争を重視し、民にできることは民に任せる「規制緩和」の考え方に対して、政府が強力に民間をコントロールする新しいタイプの資本主義が台頭。後者の体制の方がコロナ克服に成功している現実がある。他方、これまで規制が少なかったIT分野で政府を凌ぐ民間企業が登場。国の枠組みに捉われない民の力をどのようにコントロールし活用するか。

現在は冷戦、テロとの戦いに次ぐ新たな対立の時代。但し、個人レベルでのグローバル化は飛躍的に進んだ。コロンビアMBA留学中に9.11テロを経験、外国人を排斥しない寛容さを実感した。最近、国家安全保障の観点から貿易管理が厳格化している。国としては正しい措置だが、特定の国の出身の学生や技術者が排除されないよう配慮が必要。新たなレジーム対立と個の尊厳をどう克服するか。

【ローカルな視点】
自民党が取り組むべき政策課題は何か、千代田区・港区・新宿区の地域の方々にアンケートを行ったところ、最も多かった意見は自民党の在り方について。党内の不祥事が多すぎる、国民の代表であることを忘れないように、政策以前の問題として、政治家に何より品格を求めたい、など厳しいご意見をいただいた。
政策面では最も多かったのが外交・防衛。コロナ経済対策、感染防止に対するご意見を上回った。

次回のセミナーは、ビジネススクールの同級生で、現在、株式会社南紀白浜エアポートの社長を務める岡田信一郎さんに引き継ぎました。