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「未来の税制」について衆議院財務金融委員会で質疑

2019.05.15

衆議院財務金融委員会の一般質疑で、「未来の税制」について質問しました。

 

 

政治の世界では、通常、税制改正は年末の自民党税制調査会で審議された後、与党で税制大綱をまとめ、翌年の通常国会の冒頭で国会での審議がなされ、年度末までに可決・成立します。多くは翌年度、翌々年度の短期的な改正です。他方、行政の場では、財務省のもとに学者や有識者など税の専門家が集まる政府税制調査会で、向こう3~5年の中長期の税制改正の方向性が議論されます。しかし近年の社会の変化は著しく、1年1年の微調整ではとても間に合いません。10年後、20年後の税制のあるべき姿を今のうちから予測し見据え、そこからバックキャストして今ある税制を軌道修正していくべきだと思います。現在の税制改正の議論には、残念ながらそうした未来予測と中長期のビジョンがあまり感じられないですし、そもそも長期スパンで税制を考える議論の場がない、というのが私の問題意識です。

法人税の世界では今、GAFAなど海外のデジタルプラットフォーマーに対して実効性のある法人税課税ができないことが大きな課題になっています。将来、同じようなことが所得税についても起こる可能性があります。
近年、「デジタルノマド」という言葉をよく耳にします。IT人材の遊牧民化、という意味ですが、人口知能の普及などで更なるデジタル化が進むと、ノートパソコンさえあれば世界のどこにいても同じ仕事ができるため、自分の好きな国を選んで働くことができ、必然的に居住費や税金が安い場所に人材が集まることになります。そうなると人と所得が国に紐づけられなくなり、国にとっては所得税を徴収できなくなることも考えられます。逆に、外国人に仮想居住権を与え国内での法人設立を優遇するエストニアのような国もあり、国境を超えた人材獲得競争が始まっています。
海外当局との金融口座情報の交換など、課税情報確保のための取組を進めない限り、個人所得税の機能を維持していくのは難しくなります。現在既に多数国間の議論の中で検討は始まっているのか、日本政府はどのようなスタンスで臨むのか、財務省主税局から答弁をいただきました。

国会での質疑は、一言一句、議事録となって国の記録として残ります。現時点では予測が難しい未来の問題について、国会の場で質問し政府の答弁を得るのは、容易なことではありませんでした。よく「仮定の質問には答えられません」という国会答弁を耳にしますが、未来の税制など、まさに「仮定の質問」そのものだからです。しかし、事前レクで当方の問題意識に丹念に耳を傾けて相談に乗ってくださった財務省の若手の方々のご尽力と、真摯にご答弁くださったご答弁者のおかげで、質疑として実現することになりました。