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2018.10.17
地元でお馴染みの東京女子医科大学を訪問し、先端生命医科学研究所における研究開発や、女子医大病院における患者さんの利便性向上の取り組みについて、お話を伺いました。
新宿区河田町には、女子医大の大学施設、病院施設と共に、早稲田大学と連携した研究教育施設である先端生命医科学研究所(TWIns)があります。京都大学の山中伸弥教授の iPS細胞研究と並んで世界的に注目されているのが、このTWInsで岡野光夫先生の下で研究開発が進められている細胞シート再生医療です。薄いシート状の細胞を何枚も重ねていくことで3次元の立体組織を形成していく方法は「ティッシュエンジニアリング」と呼ばれています。すでに角膜から心臓に至るまで、様々な組織や臓器の治療へと応用が進んでいます。
TWInsは産学連携の場としても有名です。世界最先端のハイテク手術室であるスマート治療室(Smart Cyber Operating Theater)は、日本版NIHとして2015年に発足した日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けて、産学官の技術の粋を結集してつくられたものです。まるで近未来の映画やドラマに出てきそうな手術室は、「シアター」という名前のとおり、壁に張り巡らされたディスプレイに手術中の患者さんの様々な画像やデータの情報が統合され、医師の勘だけに頼るのではなく精緻なデータによって適切な判断ができるようになっています。手術台の横には術中MRIが置かれ、臓器変形後の最新情報を得ながら手術を行うことができます。
女子医大病院では、総合外来センターの1階にある「からだ情報館」を訪問しました。診察を受けた方、病院を退院される方の不安の解消のために、患者さんが自分の病気について自ら情報収集できるような様々な資料が揃っており、スタッフの方々が一人ひとりの患者さんに懇切丁寧に対応しておられました。「入院から在宅へ」という流れの中で、こうした施設の存在は患者さんにとってとても心強いものです。増え続けるニーズに対して十分なスタッフを確保できるかが大きな課題になっています。
短時間でしたが、来週から始まる臨時国会を前に、研究開発の現場、医療の現場の声を聞かせていただく大変貴重な機会となりました。