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2018.05.14
羽田空港の近くの大田区東糀谷にある複合福祉施設、『サンタフェガーデンヒルズ』を訪問しました。この施設は、特別養護老人ホーム、障害者支援施設、介護老人保健施設、通所介護から成る複合福祉施設で、最先端の介護ロボットやセンサーを活用した介護や、人工知能技術の研究や実証実験を積極的に行っています。
近年、人手不足が大きな問題となっていますが、介護の現場は特に深刻です。限られた人数の介護スタッフで入居者の方々の快適な生活を実現できるよう、様々な場面にテクノロジーが取り入れられています。 すっかり夏らしくなり、海の見える部屋では多くの方々がくつろいで過ごしていました。写真左は、レクリエーションロボットのパルロくん。会話を楽しめます。「歌って!」と頼んだら、“夏は来ぬ”を歌ってくれました。
写真左は、排泄のタイミングを予測する超音波センサー。膀胱の大きさをモニタリングすることで、排尿のタイミングを事前に予知します。自立排泄を支援する介護ロボットとして、全国150の介護施設で利用されているそうです。写真右は、睡眠の状況を見守るセンサー。ベッドの下に敷いたセンサーが、身体の動きから眠りの深さを測ります。ぐっすり眠れているか健康チェックはもちろん、夜間の時間帯の見守りや巡回にも役立っています。
写真左は介護スタッフの方々のための立ち乗りカート。大規模な施設なので夜間の見回りには15km近く歩くこともあり、試験的に導入したとのことです。介護は体力的に非常に厳しい仕事ですが、介護をする側も中高年の方が増えており、できる限り体力を消耗しないよう試行錯誤しているそうです。 写真右は屋上にあるITを活用した家庭菜園。紫蘇などの野菜を自ら育て、食事に取り入れているそうです。
最初に「ロボットや人工知能による介護」と伺った時には、実は私も「ITと介護?本当に大丈夫なんだろうか?」と少し不安に思っていました。しかし、実際に施設を拝見させていただくと、施設での生活の中に無理なく自然にIT技術が取り入れられており、介護される方の過ごしやすさと介護する方の仕事のしやすさの両方を実現できるよう工夫がなされているように感じました。介護の現場にITを導入することの難しさは、いくら立派なIT機器を導入しても現場で使いこなせなければ意味がなく、現場で介護に携わる方々と技術開発に携わる方々が現場目線で一緒に試行錯誤を重ねていくことが重要、とのお話を伺いました。
あと40年くらいしたら、私もきっとお世話になることでしょう。その頃にはさらに介護支援の技術が進んでいるに違いありません。幸せに長生きできる国にするために、私自身も現役の間、しっかり働いていこう!と、気持ちを新たにしました。