活動ブログ

歯科関連企業との勉強会

2016.11.09

東京都歯科医師連盟と歯科関連企業との勉強会で、「日本外交の視点からみた、歯科関連企業の海外展開の可能性」と題して講演をさせていただきました。

日本人が世界一健康で長生きするのは、質の高い歯科医療が理由だと言われています。日本では諸外国に比べて驚くほど安い金額で歯の治療を受けることができます。日本の歯科医療はもちろん、歯科の治療に使う機器や材料も世界一だと思っていたのですが、意外なことに日本の歯科機器・材料は2兆円近い輸入超過なのだそうです。日本の質の高い歯科機器・材料の海外展開は重要な課題です。

途上国・新興国などに日本製の医療機器を輸出するには、機器そのものだけではなく、現地でのメンテナンス対応や、機器の使い方を指導できる人材の派遣が必要になります。近年では「病院輸出」といって、海外での医療の拠点づくりを政府も積極的に支援しています。アジア・中国・ロシアなど近隣諸国を中心に、画像診断センターや内視鏡のトレーニングセンター、がん検診センターなどが進出しています。最近では歯科の分野でも、インドネシアにおける歯科臨床技術研修センター推進事業が実証調査の対象に選ばれました。

この夏、政府は『アジア健康構想』を打ち出しました。高齢化が進むアジア地域に、日本の介護システム、地域包括ケアの考え方そのものを輸出しようという官民連携プロジェクトです。これまでアニメやショッピングモールのイメージの強かったクールジャパン機構も、介護・ヘルスケア・食などの健康長寿産業の海外事業への出資に、今年度の補正予算で30億円を確保したところです。「健康長寿の輸出」という日本の国家戦略のなかで、日本人の宝である歯の健康を世界に広げていければと期待しています。

折しもこの日は、アメリカ大統領選の結果が判明した当日でした。日本を取り巻く国際情勢が変わっていくなかで、日本の強みを生かした外交の重要性を強く実感した日でもありました。