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2025.05.13

『創薬イノベーション再興の会』提言発表 記者会見

国会議員経験者と学識経験者による勉強会『創薬イノベーション再興の会』では、これまで数回にわたり、日本を再び創薬大国を目指すための方策について検討を重ねてきましたが、このたび骨太の方針に向けた提言をとりまとめ、本日、記者発表を行いました。

 

 

日本の創薬を巡る環境はこの十年で大きく変化しました。高齢化による社会保障費の拡大に加え、コロナ禍を経て医薬品供給も安全保障の視点が欠かせなくなったこと、さらにはインフレの進行など。その一方で、医療・介護・保健の各制度は旧態依然としており、医薬品は社会保障費削減のターゲットとして価値の如何に関わらず機械的に値下げが行われてきました。その結果、日本で新薬の開発がしにくくなり、海外からも革新的医薬品が日本に入ってこなくなったことは周知のとおりです。

 

これまで私達は、「新薬開発のリスクに見合った価格をつけてほしい」、「そうしないとドラッグロスが発生して患者を救えない」という議論をしてきましたが、ともすれば医薬品メーカーの応援だと捉えられかねない面もありました。財務当局に対しても、ただ「薬価のシーリング(予算枠)を無くせ」というだけでは全く物事が動かなかった、という反省点もあったように思います。

 

今回の提言の出発点として、私達は、これまでのような供給サイドの議論から一転して、国民一人ひとりの利益という需要サイドの視点に立ち返って、そこからあるべき理想の制度を掲げていく、という手法をとりました。単純に医療費(技術料や薬価)を削減するだけでは患者の利益を実現できないことは明らかです。「安ければ良い」のではなく、価値のある医療・医薬品に、価値に見合った価格をつける、今回の提言はいわばパラダイムシフトだと思っています。

 

提言では4つの柱に沿って新たな制度・組織を提案しています。

①価値評価を正しく取り込める新「費用対効果」制度の導入

②国民対話プラットフォームの整備

③医療安全保障タスクフォースの設置とローバリュー医療の段階的退出

④予見可能な「総薬剤費名目成長率保証調整メカニズム」等の導入

 

各制度の詳細な中身については今後も議論を重ね、秋頃を目途に発表する予定です。

 

↓ 提言の詳細はこちら

https://inesjapan.com/release/release20250513/