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2022.06.08

わが国の人権外交のあり方に関する提言 岸田総理への申入れ

自民党外交部会(佐藤正久部会長)の下で、我が国の人権外交についてプロジェクトチーム(鈴木憲和座長)で検討がなされてきました。私も法務部会長の立場から、ウクライナ避難民受入れや人権擁護などの観点から議論に参画してきましたが、このたび提言をまとめ岸田総理大臣に申入れを行いました。

 

 

提言のポイントは以下の3点です。

 

①避難民受け入れ態勢の強化と中長期的な制度構築
先月、私達もウクライナ避難民の方々からご意見を伺ってきましたが、自治体や企業とのマッチングを進めるべく、官民一体となった協力体制の強化が急務です。さらに将来、ウクライナ以外の国で同様の事案が起こった場合に備えて、より良い受け入れ体制を整備していく必要があります。

 

②「ビジネスと人権」に関する取組の強化
例えば日本のメーカーが海外で強制労働の下で作られた原材料を購入していた場合など、企業が気づかぬうちに人権侵害に加担してしまうリスクがあります。政府は、企業が調達先や取引先に人権侵害がないか否か調査する際のガイドラインを整備し、目指す経済社会や市場のルールを明確にして国際的な議論をリードする役割を果たすべきだと考えます。

 

③人権を理由とした輸出管理
日本製の高品質のビデオカメラが外国における人権抑圧の中で監視カメラとして使われる事例があると聞きます。日本の機微な技術等が外国における重大な人権侵害に用いられることがないように、企業が不利益を被ることがないよう予見可能性を確保したうえで、問題国への輸出を管理する国際的な仕組みづくりが不可欠です。

 

日本には昔から他者を尊重し思いやる気持ちが根づいていますが、日本政府や日本企業が海外との関係で直面する「人権」とは、日本人の感覚とはまた別次元のものです。例えば、日本が海外の難民受入れに非常に消極的であることから、日本は人権意識の低い国だとして国際的に批判を受けているのも事実です。グローバルスタンダードに沿った「人権」の概念を改めて議論し、日本の国民の間で共有していく必要性を感じています。