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2022.03.23

ゼレンスキー・ウクライナ大統領による国会演説

ウクライナのゼレンスキー大統領の国会演説を拝聴しました。内容については既に報道などでも大きく取り上げられていますが、会場で聞いていると淡々とした落ち着いた話しぶりで、スピーチの中には随所に日本人の心に訴える要素が散りばめられていました。

 

冒頭はチェルノブイリの話から始まりました。36年前の事故以来閉鎖されてきた30kmゾーンがロシアの攻撃拠点として使われ、事故の瓦礫や資材を埋めた上をロシアの装甲車が走っており、今回のロシアの攻撃によって被った環境被害は調査に何十年もの長い月日が予想されること。化学工場でアンモニア漏れが起きており、ロシアはサリンによる攻撃も準備しているとのこと。ロシアの攻撃を津波に喩えた表現もありました。空爆で次々と人が亡くなり、隣人が死亡しても亡骸を葬ることすらできない、など、悲惨な状況が語られました。

 

政策的な提言もありました。①ロシアに対する経済制裁の継続・拡大、②国連安保理に代えて、侵略を阻止することができる新しい予防的ツールの創設について言及がありました。
国連改革については先日の自民党大会で岸田総裁からも指摘がありましたが、国連という193ヵ国の集まりの中で、日本は、北米・中南米、欧州、中東諸国、アフリカ諸国などのように共通の利害を持つ地域グループを持っている訳ではありません。国連改革の議論で日本がイニシアティブをとることを目指すのならば、これまでの延長線上ではない積極的な外交努力が必要となります。民主主義や自由主義、法の支配という共通の価値観を持つ国々との連携が必須であることは言うまでもありません。

 

ゼレンスキー夫妻が2019年に即位礼正殿の儀に出席するために来日された折には、ウクライナの目の見えない子ども達のために日本の昔話をウクライナ語に訳して音声化したオーディオブックが作製されたそうです。ウクライナと日本は言葉も文化も宗教も異なりますが、子ども達に教えるべき道徳観に何らかの共通点があるのでしょう。ゼレンスキー大統領が繰り返していた『距離は離れていても、価値観を共有する国』という言葉に深く共感しました。
双方向のオンラインでしたので、日本の女性国会議員の多くがウクライナ色だったことは伝わったでしょうか。私達は力による支配を許しません。