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2025.09.27

ちよだ認知症ケア講座『認知症とわたしたち』に出席

千代田区のかがやきプラザで開催された公開講座『認知症とわたしたち』に出席しました。千代田区で地域密着型の高齢者福祉施設を運営し認知症支援も行っているジロール麹町さんによる開催で、誰でも無料で参加できるため、多くの参加者で賑わっていました。

 

昨年1月に、認知症の人が個性と能力を発揮し、尊重し合って支え合える「共生社会」の実現を目的として、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法(認知症基本法)」が施行されました。認知症について考えるにあたっては、①支援、②当事者、③進行、④共生という4つのキーワードがとても重要だそうです。

 

本日の講師は、自らも脳性麻痺の障がいを持ちながら、医師で東京大学の多様性包摂共生センターの副センター長を務めている熊谷晋一郎先生。1970年代は、障がいを持った人は健常者に近づかなければ社会で生きていけないと考えられており、無理なリハビリが当たり前のように行われていたそうですが、時代を経るにつれて障がいに対する考え方が変化し、「障がい」は人の体の中にあるのではなく、障がい者の生活を妨げる社会環境こそが「障がい」なのだ、と捉えられるようになってきているそうです。

 

講演の中で最も印象に残ったのは、自閉症の人にとって周りの世界がどのように映っているか、というビデオ映像でした。周りの人間は、本人がパニックになってしまって初めて大変だと気づきますが、本人はそこに至る以前にも、砂嵐のような細かいノイズが混ざって見えるなど、周りの人には分からない苦痛をずっと一人で我慢して耐えている、ということを知りました。

 

自閉症に限らずあらゆる障がいについて、当事者からみてどのように見えるか、どのように感じるか、ということを、より多くの人が知ることが大事です。それを理解した上で、当事者にどのように接するのが良いのか、どのように社会を変えていくのか、を考えていく必要があります。

認知症についても同様。変わらなくてはいけないのは、当事者ではなくて、社会そのものだ、ということに気づかされた貴重な講演でした。