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2025.04.11

『児玉源太郎と学ぶ会 発足記念講演会』に出席

『児玉源太郎と学ぶ会 発足記念講演会』に出席し、防衛大学校などでも教鞭をとられる歴史学者の長南正義先生の講演を拝聴しました。主催者の浅見哲先生から、長南先生の書かれた書籍をお借りしたのが今回の勉強会に出席させていただいたきっかけでした。

 

これまで私は、正直なところ、児玉源太郎というと「日露戦争の英雄」というイメージしかなかったのですが、この本を読み進めるうちに、軍人としてだけでなく、政治家として、行政のトップとして、55年の人生の中で、一人の人間がこれほど多くの仕事を成し得るということは驚くばかりでした。

 

源太郎は幼少期にお家が断絶するなど大変に不幸な経験をしています。お母さん、お姉さんから「この恨みを忘れるな」と言われて育ったようです。恨みというのは人間が何かを成し遂げるのに大きな原動力となります。特に政治の世界は恨みとは無縁ではありません。しかし、そうした個人的な思いを随分若い時に乗り越えていた、という点が非常に興味深く感じました。

 

今の時代の政治家が、源太郎から学ぶべきと思う点は、源太郎が、「平時の」、「予言的な」、「改革者」だったという点です。

有事の対応は当たり前。事態が逼迫しているのだから皆がやらざるを得ない。しかし、平時の改革は、やらなければならない差し迫ったものがない。人を動かすモメンタムがない。平時の改革は有事の改革よりもはるかに難しいのです。

また、軍制改革においては、次の時代の戦争がいかなる形で行われるのか、将来を予測したうえで組織や兵器を刷新していたという点、ロシアとの交渉を成功させるために、敢えて内務大臣から参謀本部次長に降格していたという点も、今日の日本に、それだけの決断や行動ができる人がいるだろうか、と感じます。

 

さて、児玉源太郎を演じた俳優には、映画『二〇三高地』の丹波哲郎さん、ドラマ『坂の上の雲』の高橋英樹さん、がいるそうです。実際の源太郎の声や表情、人となりは想像することしかできませんが、講演を伺いながら、私なりの児玉源太郎像を描いてみようと努めました。歴史研究の醍醐味を感じたひとときでした。